オンライン授業の誤解

オンライン授業の評価が高まっています。
私が勤める高校では生徒にiPadを持たせていますので、2020年3月の一斉休校の時からオンライン授業に取り組みました。
私自身、ZOOMによる対面授業(黒板映写方式と画面共有方式)やYouTubeライブなどに取り組んできました。
3月から5月までの3か月間にわたってオンライン授業をした感想は、やっぱり対面授業のほうがいいというものです。
「そんなの分かっている」という声が聞こえてきそうですが、多くの人が分かっていないことが1点あります。
それは「オンライン授業にもメリットがある。動画配信形式の授業だと、授業動画を何回も見直すことができる。分からない個所を何度も見ることができる」というものです。
私はこういうことを言うのは本格的にオンライン授業に取り組んだことがないのではないかと思ってしまします。

生徒は授業動画を何度も見返すことはありません。
もしかしたら物珍しさから数回はあるかもしれません。
でも継続的に授業動画を見返すことなどありません。
6時間授業だとしましょう。
実技科目を除いて4時間分の授業動画が配信されるとします。
4時間分の授業動画を見返す時間などありません。
授業動画全てではなく一部分しか見返さないとしても、これは手間です。
オンライン授業は毎日続くのですから、手間がかかることはしなくなるものです。
オンライン授業に本格的に取り組んだことがあれば、こういうことは分かるはずです。

さらに、一部分だけ見返すといっても、授業で時間内に扱う知識には体系があるのですから一部分だけ見返してもきちんとした理解には至りません。

ということで、オンライン授業のメリットとされる「分からない個所を何度も見返すことができる」については私は懐疑的です。

そもそも同じ授業を何回も見るのは効果的なのでしょうか?
私は同じ授業を何回も繰り返すよりも、同じことを何度も形を変えて繰り返すほうが効果的だと思っています。

隙間時間の学習

勉強が出来る人は隙間時間の活用が上手いと聞くことがあります。
これについては「なるほど」と思うところがあるので、今回は隙間時間の活用を取り上げてみたいと思います。

「まとまった時間がないと勉強に入れない生徒」がいる一方で、「ちょっとした空き時間に勉強ができる生徒」がいます。

「ちょっとした空き時間に勉強ができる生徒」の特徴として「取り掛かりが早い」、「スッと勉強に入ることができる」、「やるべきことが分かっている」が挙げられます。

ところで、私たちは「まとまった時間」を1日にどれくらい確保できるのでしょうか?
私たちは1日の中で「まとまった時間」よりも「ちょっとした時間」の方が多く確保できるものです。
さらに、「ちょっとした時間」を足してみると「まとまった時間」よりも多くなるというのもよくあることです。
こう考えると、隙間時間を活用できる生徒の方が勉強が出来る傾向にあるというのも頷けます。

生徒は「隙間時間の活用」を意識しなければなりませんし、教師は生徒に隙間時間を活用させるような指導をしなければなりません。
生徒は隙間時間を活用することに慣れることで「取り掛かりが早い」、「スッと勉強に入ることができる」、「やるべきことが分かっている」ように変化していくものだと思います。
現在私が生徒に隙間時間の活用の訓練に使っているのが「じゃれマガ」というメルマガ。
月曜日から金曜日まで毎日ちょっとした英文のエッセイが届きます。
読むのに5分もかかりませんが、毎日メールを確認して英文エッセイを読むのって面倒なものです。
しかし、面倒だと思うこともやってみればすぐに終わることが多い。

「面倒だと思いながらちょっとしたことを継続すること」と同時に、「面倒だと思うこともやってみればすぐに終わるということを体験していくこと」が隙間時間を活用しようというメンタルにつながるのではないかと思っています。

計画を立てるということ

【家を建てる】
A君は「資材さえあれば家が建つ」と思っています。
空き地に資材をどんどん置いていきます。
雨が降ってきました。
資材は泥だらけです。
下の方に埋もれてしまった資材はその形すら思い出せません。

B君は「家を建てるには資材のほかに設計図が必要だ」と思っています。
まずは設計図を作りました。
その設計図にしたがって資材を組み立てていきます。
雨が降ってきました。
作業は中断です。
納期までに間に合わないかもしれません。
納期が来ました。
やっぱり納期には間に合わなかった。
しかし、なんとか最低限の雨風はしのげる家らしいものはできあがりました。

【2棟目を建てる】
B君は前回の反省を踏まえて設計図と納期を工夫しました。
雨が降って作業が中断することを踏まえて納期を設定しました。
設計図にしたがって資材を組み立てていきます。
資材の組み立ては前回よりもうまくなっているようです。
前回よりも速いスピードで資材が組みあがっていきます。
雨が降ってきました。
作業は中断です。
今回は納期に余裕を持たせたので何とか納期に間に合いそうです。
前回よりは立派な家が建ちました。
しかしいかんせん経験不足。
よく見ると粗が見えてきます。

【A君の2棟目】
ふとA君の2棟目を見てみると、1棟目と同じ泥だらけの資材・・・
資材はB君よりも多いけれど、泥だらけで元の姿も判別できない。
役に立つ資材が見当たりません。

計画を立てるってこういうことだと思います。

文法用語

文法用語を覚えていない生徒が散見されます。
文法を覚えれば文法用語は覚えなくてもいいんですよね、なんて声を耳にしたこともあります。
しかし、私は生徒に文法用語をきちんと覚えてもらいたいと思っています。

物事を理解して覚える時は分類して覚える必要があります。
分類して覚えないということは丸暗記であるということです。
分類して覚えないということは理解して覚えていないということです。
分類をするには文法用語を覚えなければなりません。
文法用語を使って分類するからです。

分類して覚えないとアウトプットも難しくなってしまいます。
これは仮定法が問われていると分かったら、仮定法の知識を出さなければなりませんが、分類がないと「これは仮定法が問われている」なんて思いつかないし、仮定法の知識を他の分野と分類して持っていなければ適切なアウトプットはできません。

文法用語が分からないと、問題集の解説を読んでも理解することはできませんし、教師の説明を理解することもできません。
問題集の解説も教師の説明も文法用語を用いて行われるからです。

英語教師は生徒に文法用語をきちんと理解し覚えるように促していくべきだと思っています。