東京農工大学農学部G先輩

受験勉強が始まってから今までにいろいろなことがありましたが、無事に第一志望に合格することができました。自分の受験番号がパソコンの画面にあるのを見たときの喜びは、言葉で言い表せないほどの大きな喜びでした。これから受験に挑もうとしている皆さんにもこの喜びを味わってもらえるよう、私からできるかぎりのアドバイスをしたいと思います。

まず勉強の方法について話したいと思います。勉強の仕方が分からないから勉強の仕様がないなどと思っている人がいるかもしれません。そんな時はすぐ先生にやり方を聞いて下さい。勉強の仕方を一番良く知っているのは先生なので、先生をまず信じて下さい。私はどの科目でも授業で先生に言われたことをこなすのを最優先にし、勉強の仕方が分からないときは進んで質問していました。

私の一番の得意科目は英語なので、私が英語の勉強で気をつけていたことを紹介します。まず単語とNext Stageは基本中の基本なので、しっかりやって下さい。単語帳の単語は2年生のうちに覚えてしまったけれど、単語テストのたびにきちんと紙に書いて練習して忘れないようにしていました。Next Stageは4,5回繰り返しました。問題をただ解くだけでなく、その問題文を頭の中で訳すようにして下さい。次に予習の仕方について話します。長文はまず何も見ないで読み、段落ごとに内容を簡単にメモして、問題はテストだと思って解いて下さい。この時、時間をきちんと計ってください。センターでも二次でも速く読むことが本当に大事なのです。これが済んだら辞書や文法書を使って丁寧に訳して下さい。本文には、関係詞節やthat節、前置詞と名詞のかたまりなどを(  )で括ったり、指示語が何を指しているのかをメモするなど、たくさん書き込みをして下さい。問題の答えは本文中に書いてあることが多いので、もう一度正しい答えを見つけてその対応箇所を書いておいて下さい。

次に春休みの過ごし方について話します。春休みは短いけれども、宿題がなく、自分で好きな勉強ができる貴重な時期だと思います。私は本当に春休みには2年分のすべての科目の復習をしたかったけれど、短い時間でそれをやろうとするとどれも中途半端になると思い、サテライトなどの講習は一切とらず、早くも怪しくなってきた数ⅢCと、数学に加えて二次試験科目であった生物を中心に勉強しました。生物は、教科書に戻ってみると、教科書は意外と詳しくまとまっているので今まで見落としてきたことが見つかります。また、春休みは毎日図書館に通っていましたが、その他どこへも出かけませんでした。せっかくの休みだし、3年生になると遊ぶ時間もほとんどなくなるのでこの時期遊びたくなるのも分かりますが、あと8ヶ月我慢すればよいのだから、この短い時間を有効に使って下さい。少し先の話ですが、GWも春休みと同様に十分有効に使える時期なので、大事にして下さい。春休みは1日だいたい8~9時間、GWは学校がある日を含む10日間で合計約100時間勉強しました。

受験生は毎日の勉強でたまっていくストレスをうまく解消しなければなりません。私は受験のためにテレビや外出などやりたいことをいろいろ我慢したけれど、音楽を聴くのが大好きなので、登下校中歩いている時と、寝るちょっと前の時間を音楽の時間にしていました。でもバスの中では、友達としゃべらず勉強していました。私はNext Stageをやったり、カードを使って化学式や物質の色を覚えたりしていました。音楽の時間以外に、睡眠の時間もしっかりとっていました。私の場合、夜どうしても眠くなってしまい、目を開けているのにも精一杯で勉強できなくなり、机で朝まで寝てしまうので、9~3時の6時間寝る生活をしていました。正直疲れていて起きられない日もたまにあったけど、おかげで風邪を引かずにすみました。体調を崩して何日も引きずるよりは1日寝坊をする方が私は良いと思います。朝型と夜型でどちらが体に合っているかは個人差がありますが、ぜひやってみて下さい。このように、自分で工夫して無理のない受験生活を送って下さい。

これから今日私が皆さんに最も言いたかったことを話します。受験生になると、やりたいことを我慢しなければならなかったり、自分の成績にがっかりしたり、これからのことが不安になったりと、誰もが辛い経験をします。私にとってこの受験生活の中で一番辛かったことは、成績が思うように伸びなかったことです。2年生になって第一志望を決定し、ずっと頑張ってきたにもかかわらず、成績が伸びたのは英語だけで、模試の判定は最初から最後までE判定でした。自分の成績を見たときにはもちろんがっかりしたけれど、自分は周りの友達や第一志望が同じ人達にかなり遅れをとっていると思うと、焦りの気持ちも出てきました。なぜ自分はいつもこんな点ばかりをとっているのだろうということもよく考えていました。しかし、私はこんな状況でも決して諦めず、第一志望を変えたことは一度もありませんでした。模試の点数がどんなに悪くても、しっかりそれと向き合って、もう二度と間違えたくない、という気持ちで時間をかけて丁寧に復習しました。こうして勉強しているうち、ここまできたら最後までやり通そうという気持ちになりました。この結果、センター本番ではいつもはだいたい500点台だったのが700点台まで大幅に伸びて目標点数にかなり近づきました。私はこの結果が信じられませんでした。しかし結局またE判定でした。判定を知ったとき、もう二次まで行けないのだと思って悲しくなりました。しかし、二次を受けることは先生には止められませんでした。それに、私はセンター前から赤本で頻出分野をチェックし、時間を見つけて練習し、二次の対策をしてきたので、私自身も二次まで挑戦したいと思っていました。だから、後期を安全な大学にして、前期だけ受けることにしました。センターの後の二次試験までの約1ヶ月は本当に大変でした。センターに比べて科目は数学と生物と英語だけに減ったけれども、センターでは出題されない数ⅢCや生物Ⅱを加えて勉強しなければならず、更に他の受験生との間にできた30点の差を埋めなければならなかったからです。

少し話がそれるけれども、後悔したことが2つあるので忠告しておきます。1つは数学の勉強の進め方です。3年生になるとセンター前まではⅢC選択者はⅠAⅡBの授業がありません。私は勉強がⅢCばかりに偏ってしまい、そのためセンター前にはⅠAⅡBに偏るようになってしまってセンター後のⅢCの勉強が面倒なことになってしまいました。数学は計画的にどれもバランスよく勉強した方が良いです。あと1つは、生物Ⅱの復習についてです。生物Ⅱはセンター対策に忙しい冬休み直前に終わったので、センターに気を取られてⅡの方の復習を疎かにしてしまったために後で大変でした。センター前でも少しでいいので二次対策をすべきだと思います。こうしてできたⅢCと生物Ⅱの穴は、ⅢCはニューアクションと授業で使っていたプラスノートというテキストを使って農工大では頻出の微分・積分を集中的に復習し、生物Ⅱは教科書を資料集と合わせて使うことで復習して、二次対策講習が始まる前の1週で大急ぎで埋めました。皆さんはこうならないように気をつけてください。

これまで自分の話ばかりになってしまいましたが、とにかく私が皆さんに一番言いたかったことは、あきらめないでほしいということです。将来の夢や、この大学に行きたいという気持ちがあるのならば、それを大切にして下さい。私には将来の夢も、この大学に行きたいという気持ちもあったので、たとえE判定であってもあきらめないでここまでこれました。あきらめていたら今頃ここにはいないと思います。成績が思うように伸びず悩んでいる人もここにたくさんいるかと思いますが、辛くてもその辛さに負けないで最後まであきらめずに頑張って下さい。私のこの「あきらめないで」という言葉が、今は信じられないかもしれないけれど、今がんばれば後で信じられる日がくると思います。皆さん頑張って下さい。

トップへ戻る