ある生徒に大学入学共通テスト英語リーディングの対策を聞かれました。
英単語レベルは高くはありませんし、問のレベルも高くありません。
受験生が通常取り組んでいる問題集の方が、英単語レベルも問題のレベルも高いと思います。
しかし、このテストの困難さはその長さにあります。
総語数は6000語以上。
受験生が通常取り組んでいる長文は300語から700語程度だとすると6000語以上はたしかに長い。
受験生は以下の3つを克服しなければなりません。
・長い→面倒くさい
・長い→読み終わらない
・長い→集中力が切れる
【面倒くさい】
「英文を読むのが面倒くさい」といった気持ちを克服する必要があります。
私が勧めるのは「米大統領のX(旧Twitter)」。
米大統領のX(旧Twitter)も1日に何度もポストがあります。毎日のように1日に何度もポストがあるので、読むのが面倒くさい。
しかし、「英文を読むのが面倒くさい」を克服するには、「英語を読むのが面倒くさい」に「慣れる」ことだと思います。
慣れてしまえば心にあるハードルも下がる。
【読み終わらない】
きちんと読み終わる高校生もいます。
ポイントは「なるべく二度読みをしない」だと思います。
記憶に残しながら読めるようにしましょう。
これで「二度読み」を防げば時間短縮になります。
ダメなのは「速読のつもり」。
文字を目で追っていくだけで内容が頭に入っていなければ、何度も「二度読み(三度読み、四度読み)」が必要になってしまいます。
これでは結局読むのが遅くなってしまうし、正答率も下がってしまうでしょう。
一方で、きちんと記憶に残しながら読んでも、読むのに時間がかかってしまったら読み終わりません。
まずは精読を身につけてから、速く読むトレーニングをすべきです。
通常取り組んでいる長文4段階でやるといいと思います。
①時間を測ってテスト形式(記憶に残しながら読み、なるべく「二度読み」をしない)
②解答・解説を見る前に、精読とリーズニング(解答の根拠を言語化する)
③解答・解説を読み込む
④前からかたまりごとに意味が通るようになるまで音読
①の「時間を測ってテスト形式」で速く読むトレーニングをしましょう。
問題を解く時間は「語数÷(90〜120)×3」分程度がいいと思います。
④の音読は初見の英文でも日本語のように前から読めるようになるためのトレーニングです。
【集中力が切れる】
「第1問から第5問までに脳に負担をかけない」がポイントだと思います。
脳に負担がかかっていない状態で第6問に入ってしまえばしめたもの。
「第6問さえやってしまえば、あとは普通の長文問題たった2題だ。ゴールが見えてくる」といったポジティブな気持ちになれると思います。
そして第7問に入ってしまえば、「この1題をやったら最後の第8問」といったポジティブな気持ちになれる。
ということで、脳に負担をかけずに(新たな気持ちで)第6問に入れればしめたもの。
第1問から第5問までに脳に負担をかけずにサクサクとこなすということなのですが、これも「記憶に残しながら読む」がポイントとなります。
記憶に残しながら読むことで、設問もサクッと1度読みで済ませることができれば、第6問まで集中力をとっておくことができるでしょう。
【納得しながら読む】
記憶に残しながら読むということを何度も書きましたが、これは「納得しながら読む」ということだと思います。
「納得しながら読む」と「納得のつもり」は別物です。
「納得しながら読む」を身につけるために、上記の長文4段階の②が効果的だと思っています。
②解答・解説を見る前に、精読とリーズニング(解答の根拠を言語化する)
すぐに解答・解説を見るというのは「納得のつもり」。
自分で納得しようとするトレーニングが、納得しながら読む能力を養成します。
解答・解説を見る前に考え抜くのが、自分で納得しようとするトレーニングです。
【長文問題演習の4段階】
①時間を測ってテスト形式(記憶に残しながら読み、なるべく「二度読み」をしない)
*問題を解く時間は「語数÷(90〜120)×3」分程度
②解答・解説を見る前に、精読とリーズニング(解答の根拠を言語化する)
③解答・解説を読み込む
④前からかたまりごとに意味が通るようになるまで音読