集中力

【時間がなければ集中力をつけてやるしかないね!】
生徒A:「時間がなくてあまり勉強時間が取れないんです。」
教師A:「じゃあ、集中力をつけてやるしかないね。」

皆さん、この会話、どう思いますか?「そうだね、だらだらやるよりは集中してやったほうが効率がいいもんね」なんて思った人がいたら要注意です。「集中力」は憧れだけで身につくものではありません。みんな、簡単に「集中力」なんて言うけれど、「集中力」って「獲得すべき能力」だって気づいている人はどれくらいいるのでしょう?

君にとって「集中力」が魅力的なのは「短い時間で長い時間と同等以上の学習効果が挙げられるから」でしょう。でもこんな動機(学習時間を短縮したい)で「集中力」を身につけようなんて思っていたら、いつまで経っても「集中力」は身につきません。こういった生徒は「いかに学習時間を短縮するか」に心を奪われているのですが、「集中力」は「まずはゆとりのある学習時間の確保がなければ身につかない能力」だからです。

物事は短い時間でやろうとすると、どうしても「こなすだけ」になってしまいます。「うわべをなぞるだけ」になってしまうのです。「集中力」を身につけるにはじっくりと考える時間を確保しなければなりません。

わたしは毎朝、ある武道を練習しています。時間が取れるときと取れないときとで練習内容が全然違う。同じ練習量をこなしているのに違う。時間が取れないときは「突き」も「蹴り」も「受け」も「足捌き」も回数を「こなすだけ」になってしまいます。時間が取れるときは「突き」も「蹴り」も「受け」も「足捌き」も「正確に」、「ぶれもなく」、「相手を意識しながら」行うことができます。前者と後者とどちらが「集中」して練習できていると思いますか?

サッカーの中田選手は誰よりも「パス」の練習の時間が長かったそうです。集中していなかったから?いや、集中して練習すると自然と時間がかかってしまうのでしょう。

学習面に目を向けましょう。「深く考える」には「時間の保証」が必要です。「集中力」とは「獲得すべき能力」です。「時間の保証」がないと「こなすだけ」、「うわべをなぞるだけ」になってしまいます。こんな状況では「集中力」なんて身につきません。

「いかに学習時間を短縮するか」だけを考えて「集中力」に憧れている生徒は、じつは「集中力」を身につけることが難しくなってしまっているのです。「集中力」を養成したい生徒は、まずは計画を立てて学習時間を確保しましょう。

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