高知女子大学

高知女子大学生活科学部生活デザイン学科2003

【高知女子大学生活科学部生活デザイン学科2003】
生活デザイン学科(以後生デ)に興味を持ってくださって本当にありがとうございます。私はこの生デに在籍していることが誇りですので、この学科を紹介できる機会いただけて、嬉しく思います。

まず、(1)どんな授業が中心なのか?というご質問について。
高知女子大学のHPでもご覧になったと思いますが、生デは「衣」と「住」の二本柱の学科です。ですが、実際には生活全般を取り扱っているといってもいいでしょう。「食」も「家庭経済」も暮らしに関わること全般を学ぶことができます。中学・高校の家庭科を少し充実させたと考えていただくとよいかもしれません。
2年次から「衣」と「住」をおおまかに選択します。(両方を受講することはカリキュラム的に少し大変です。)
アパレルですと被服製作、デザイン演習(デザイン画の書き方など)、服飾文化、工芸実習(染織・革細工)、繊維科学があります。内容はすべて基礎の基礎です。製作も簡単なスカートとシャツ、ゆかたのみです。

(2)教授は何を学ばせたいのかについて
生活全般の基礎を学ばせたいのだと思います。全部を取り扱うということはつまり、どれも突出していないということです。取り扱う全部の中で、個人個人に自分の得意分野を見つけて欲しいのだと思います。

(3)卒業後はどんな職業に就いているのか?について
建築方面は住宅メーカー、設計事務所。アパレル方面ではデパートの販売員、アパレルメーカーに就職された先輩がいらっしゃいます。
その他、新聞会社・銀行・通販会社など、多方面にわたっています。アパレルでは専門性がないので、デザイナー、バイヤーなどの専門職につくことは難しいと思います。(専門職は専門学校がやはり強いです。)

(4)取得できる資格はあるのか?について
建築のカリキュラムを受講すると、2級建築士の1年の実務で受験する資格が得られます。アパレルにはありません。個人的に色彩検定、カラーコーディネート、などを取得している生徒がいます。
また、指定されたカリキュラムを受講することで中学.高校の家庭科教員の免許、学芸員の資格が取得できます。

(5)HPにファッションショーみたいな写真がありましたが、どのようなプロセスになっているのか?について
高知中心商店街で行っている「ストリートファッションショー」は生活デザイン創作研究会というサークルの活動です。
当初は学科の取り組みでしたが、アパレル分野がメインになることや、お金の出入りがあることなどから、2004年にサークル化しました。アパレルはもちろん、建築専攻の学生も在籍し、現在50名程度の部員が活動しております。
各ショーごとにテーマを話し合い、それに基づいて製作しショーを行います。舞台の装飾、音響、ポスター製作、広告協賛などすべて自分たちで行います。(イベント業者さんとともに)
ストリートファッションショーのほかに、クラブイベントを企画したり、公園でTシャツアート展を開催するなど、「中心商店街の活性化」「地域交流」を軸に積極的に活動しているサークルです。
製作時の補助は学科としてはありません。先生に直接聞いたり、本を参考にしたりと各自が取り組みます。

生デは正直にいうと中途半端な学科です。どれもが学べるけれども、どれもが完璧でないのです。興味を持ったことを完璧にしたいのならば、それから先は自分の力です。
私にとっては、この曖昧さが利点でした。何でもかんでもやってみたい性分でして、広く浅く知識を持ち、技術を身につけたかったので、ぴったりでした。
「服を作りたい!」「設計をしたい!」という一心で入学した学生にとっては物足りないと思います。興味の持てない、栄養化学や環境科学といったカリキュラムも必修ですので、専門以外はやりたくないとお考えならば向いてないと思います。中には辞めて専門学校に入りなおした学生もいます。逆に、建築1本を狙っていたが、アパレルが向いていた。アパレルを極めたかったが、生活経済に興味を持った。など選択肢が多いと役立つこともあります。

また、高知県の教育改革の一環で、生デはなくなってしまうかもしれません。高知女子大と高知短大を合併する中で、社会福祉のほうに統合されようとしています。私たちは今、その反対運動を行っている最中です。(「高知女子大に一番貢献しているのは私たち生デだ!」という自負がありますので、生デ廃止の流れには従えません!)
その他、移転問題など、学校全体が慌しいところがあります。

ただ、この大学では何でもできます。本当に何でもできるのです。自分で企画してサークルを立ち上げることも、街中でイベントすることも、県外のコンペに出品することも、個展を開くことも、自分の作品を店で売ることも...やる気さえあれば何でもできます。大学自体の規模が小さいこともあるし、高知自体が『やるならやれ』の風潮があります。
私自身やりたいことを好き勝手やって楽しんでいるので、特に思います。
ぜひ、この生デに来て、自分で創り出すという喜びを感じてもらいたいと願っております。

長文でまとまってない文章になり申し訳ありません。ご質問の答えになっているか心配です。
また、何かありましたらいつでもご連絡下さい。
<わたしから>
早速のご回答有難うございました。高知女子大学の生活デザイン学科については、昨年の受験指導で住居学に興味のある生徒がいて、その生徒の進路指導で考えるようになったのです。結局、その生徒はセンター試験の点数が足りず出願は出来ませんでした(推薦入試は高知県限定でしたよね)。今年また、受験生を受け持つようになりました。今度の生徒に被服に興味がある生徒がいました。高知女子大学のHPを見るように薦めたところ、その生徒がとても興味を持ちました。上原さんからの情報はぜひ生徒たちに伝えたいと思います。生活系は生徒たちには関心が高い学部です(私のクラスは男子9名、女子24名ですので)。本当にやりたいことならば、専門学校でもいいのでしょうが、ほとんどが大学に進学する高校なので、保護者が認めないだとか、今ひとつ大学を捨てられないなんていう生徒も何人もいます。生活系の大学は数が少ないので、生徒たちはほとんど情報がないのが現実です。私の教え子もかつて被服系に進学した生徒はいません。そのような中で現役大学生からの情報は本当に貴重です。先日高島さんに会いました。聞けば、上原さんも教職を取っていて教育実習がある大事な時期だとか。お忙しい中、丁寧なご回答、本当に有難うございました。また、何かありましたら、よろしくお願いします。最後に、「高知女子大に一番貢献しているのは私たち生デだ!」という気概、とてもうらやましいです。高知女子大生活デザイン学科の先生は幸せですね。
<返信>
〇〇様
こちらこそ、話を聞いていただきありがとうございます。
もっとこの大学・学部をアピールしたいのですが、できていないのが現状です。
大学は専門ではない分、他の知識を得ることができます。そしてそれは応用になって、人間の厚みになります。(受け売りです)ファッションショーなどイベントを企画する中で、学ぶことが本当に多くありました。高知は狭いので1回何かイベントに参画すると一度に人脈が繋がりますし、大学外の方に教わることも多いです。
私は、大学とは『時間を買った』のだと考えています。失敗してもかまわない身分ですし、何をやっても大目に見てもらえます。
これから大学進学する方には気負わずに、自分の楽しむ道を見つけていただけたらと思っています。