東北大学教育科学学部M先輩

文系難関国立に向けてこれから勉強する人へ

•これは文系難関国立受験生,特に一年生を対象とするアドバイスです。もちろん二年生や三年生が読んでもかまいませんが,「いまさらかよ・・・」と思う人が多いと思うので,前半を飛ばして後半の~使える参考書~のみを参考にするのが良いかと思います。また,私は難関私大に全滅した人間なので,難関私大志望の方は参考にしない方が良いかもしれません。(とりあえず後ろに私大に関することも書きましたけど・・・)

~勉強を開始するにあたって~
・「知識ノート」と呼ばれる復習専用のノートを作ります。対象となるものは英語,社会,生物など知識を直接問われる可能性のある科目です。授業中はメモ書き程度にノートを取り(授業中のノートはきれいにとる必要はありません),帰宅後,必要事項のみを選別しノートにまとめ直します。できれば,そのノートを次の日の朝に確認するのがよいでしょう。また,一週間後,一ヶ月後にもう一度目を通して,忘却復活作業を行うのがポイントです。これが「復習」です。

・計画の立て方を説明します。はじめに最終的な目標(どこの大学?学部?)を決めます。これは「自分には厳しいかも・・・」と思うぐらいがちょうど良いです。次に月ごとの目標と一日の目標を決めます。例えば,「この参考書は二ヶ月で終わらせよう。そのためには一日7ページ,所要時間約90分」という具合に。一日の合計勉強時間が5~7時間くらいになるのが,無理なく続けられる量だと思います。(ちなみに私は,朝1,放課後2,夜3~4ぐらいのペースでした。)

・学習記録をつけましょう。前の日に勉強した科目,時間を書き込むことで,特定の科目に偏りが出ないようにするのが狙いです。難関国立は多くの科目を均等にこなす必要があります。

・長期休暇は苦手科目の克服,得意科目の洗練に努めましょう。具体的には,一コマの学習時間を普段よりも長め(2~3時間)に取り,積極的に難易度の高いものをこなしていきます。赤本・青本に触れるいい機会でもあります。

・「余計なお世話だ!」と思われるかもしれませんが,高い志を持つ人間と親しくなり,互いに競い合いましょう。ライバルが身近にいるのは刺激になりますし,自分がつらいとき(結果が出せないとき)は最大の理解者になると思います。

~なかなか結果は出ない~
一年の時,私はたくさん勉強すればそれに見合うだけの結果が付いてくる!と思い込んでいました。しかし実際の偏差値は2,3ポイントずつしか上昇せず,とてもがっかりしたのを覚えています。確かに「偏差値がどれだけ上昇したか」とか「どれだけ点数が伸びたか」というのは大切です。しかし,最も重要なのは,「自分が伸び悩んでいる時期にどれだけ自分に厳しくなれるか,どれだけ努力できるか」だと思います。皆さんは是非忍耐強くあってほしいです。

~使える参考書~
日々の授業はとても大切ですし,学校から出される課題もまた大切です。しかし,学校から出される課題のみで難関大に合格するのは至難の業だと言えるでしょう。以下には,皆さんの学力向上に役立つであろうと思われる参考書(学校配布のものは除く)とコメントを載せましたので参考にしてみてください。

<国語>
・筑摩の評論入門
現代文を始める人はまずはここから。ひとつの文章を1時間くらいかけて読んで、完全に理解してから次に進みましょう。不明な点は友達と議論しながら理解していきましょう。

・得点奪取(河合塾)
予備校生の実際の答案が載っているので使い勝手がよく、解説も量が多くてわかりやいいです。

・記述編現代文のトレーニング(Z会)
一橋、東京大学クラスを狙う人、国語の現代文で差をつけようと思う人にお勧めです。私の場合,自分の国語のできなさを痛感するのにも役立ちました。

・565
古文の単語はこれでOK。

・速読古文単語
565をやった後に、単語を定着させる多読用教材として使うのがいいと思います。私は電車の中で,一日一題読んでいました。

<数学>
・大学への数学1対1
二次の数学で一発逆転を狙う受験生、一橋,東京大学クラスを狙う人の足がかりとしてお勧め。

・大学への数学スタンダード演習
1対1をやった後の演習として効果的。難易度も高めで量も多く,かなり満足できると思います。

・月刊大学への数学
数学が苦手な人は不要。数学を極めたい人の必須アイテム。
(ちなみに私は4ヶ月で挫折しました。)

・おもしろいほどシリーズ ベクトル
私はベクトルでつまずきましたが、この本の問題と回答のプロセスを丸暗記することで克服しました。

•大学への数学シリーズに手が届かない人,取り組んだけど挫折した人は以下の二冊だけでもやっておきましょう。

・おもしろいほどシリーズ 発想力
ノミネート法や確率漸化式,正射影ベクトルなど,難関大学の定番問題が入っており非常に使いやすいです。

・おもしろいほどシリーズ 整数問題
高校では習わない,ガウス記号や合同式と言った考え方を細かく掲載しています。整数問題が出ない大学を受験する人でも,読む価値有り!

•おもしろいほどシリーズ(中京出版)は表紙こそふざけているものの中身はしっかりし
ているものが多いです。

・首都大東京文系過去問
初めて本格的な記述の問題を解こうと思っている人にお勧め。難易度も高くはなく、時間も十分なので数学が不調のときに解くと元気が出ます。

・文系MARCHの過去問
内容はセンターよりも簡単ですが、これを3分の2から2分の1くらいの時間で解く訓練をすると、計算ミスを減らせるようになります。

<英語>
・速読英単語上級編
難関国立に受かるのに必ずしも必要とは思いませんが、必修編が終わった人はすぐに取り組むと良いでしょう。

・リンガメタリカ
多読用に購入しました。必修編、上級編で覚えた単語の定着のほか、専門用語を覚えるのに役立ちます。内容もけっこうおもしろく、日本語だけ読んでいても満足できます。

・英文法ファイナル難関大編
難関国立に受かるのに必ずしも必要とは思いませんが、受験前の総仕上げとして活用すると良いかと思います。ちなみに、私は終わりませんでした。

・各種大学の過去問
長文の問題集は買う必要がないと思っています。進路指導室に行って赤本をコピーしたり、東進の過去問データベースにアクセスして問題をダウンロードすれば、それが立派な長文問題集になります。

~書きたくないけど私大について~
・私大について少し触れておきます。私は難関私大も視野に入れて勉強をしてきたので、当然、早慶対策もやってきました。そこで感じたことは、MARCHと早慶ではまったく次元を異にするということです。日東駒専から階段をのぼっていくとやがてMARCHが見えてきて、そのうち勝手にたどり着きます。しかし、階段はそこで終わっており、目の前にはただ巨大な壁があるだけなのです。のぼろうにも手が届かず、足がかりもない・・・。これを突破するときのポイントは英語と世界史だと思います。英語はMARCHの問題を半分の時間で8割くらい取れるようにしましょう。社会はとにかく知識を詰め込んで、脳みそを生きた世界史辞典の状態までもっていきましょう。私は後者を怠ったために早慶に落ちた、と思っています。

・ワンランク上の大学を目指す必要があります。私は早慶合格も狙って勉強し、滑ってMARCHに合格しました。私のようにMARCHの合格者は、早慶を狙って落ちてしまった人がほとんどなのです。ということは、MARCHの合格を狙う人は、MARCHを第一希望にしていては受かる見込みがほとんどない、ということになります。難関国立を考えている人は、滑り止めにMARCHを考えている人がほとんどだと思いますが、絶対に早慶対策をしなければなりません。

・早慶に落ちた言い訳になってしまうのでこんなこと書きたくないのですが、本番と模擬試験、本番と過去問はまったく違います。特に模擬試験は、受験生が点を取れるように気を使って出題してくれますが、本番は受験生を落とすためにやっているようなものです。本番と過去問が違うという説明に関しては、実際に本番を体験してみなければわからないと思うので割愛します。

~最後に~
1年の時から勉強しかしていないとよく「キモイ」とか言われます。(ちなみに「ウチのクラスの男子」はその代名詞であったようです。笑)しかし、〇〇高校に来た以上、殆どの者がいつかは受験勉強を開始します。周りがあわてて取り掛かる時期に、周りとは違う景色を見たい人は今日の放課後から学習室に通いつめることをお勧めします。

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