生産者としてのITリテラシー

本校ではiPadを生徒一人に一台、所有させています。
私が仕事に就いたのは職場にパソコンが入ってきた時代でした。
まもなく、パソコンのできない中年社員をお荷物扱いするような風潮ができました。
本校でも一人一台パソコンが貸与されるようになり、パソコン前提の職場になりました。
パソコンができない先生は肩身が狭かったと思います。

実はパソコンは難しいものではなく便利なものです。
しかしながら、パソコンをいじったことのない人は、パソコンで仕事をするプロセス(こうすればこれができる)がイメージできない。
プロセスがイメージできないから一歩踏み出すのに躊躇してしまうのでしょう。

今年から本校ではiPadが教員に貸与されました。
iPadなんて分からないでは済まない職場になりました。
業務連絡も会議資料の共有もすべてiPadで行っています。
授業もiPadで行うようになってきています。
しかしながら、iPadの活用に躊躇している先生もいます。
これは「iPadのプロセスがイメージできない」というのが大きな理由でしょう。
iPadのプロセスがイメージできず、「〇〇をするには××を試してみればいい」ということが分からないから一歩踏み出せない。
さらにはiPadでできることがイメージできないので、「〇〇をしたい」すら思い浮かばないのかもしれません。

これからの時代、ITリテラシーは必須だと思っています。
目の前になるのが、iPadだろうが、Chromebookだろうが、Windows PCだろうが、きちんと使っていればどの端末でも応用が利くようになるものです。
私はAndroid派ですが、以前からAndroidを仕事に用いていましたので、iPadになっても「〇〇がしたい」だとか「〇〇をするためには××を試してみればいいのでは?」という思考になることができます。

ちなみに、私の場合はAndroidを「仕事で用いていた」というのが大きいです。単に消費用端末としてSNS(見る専門)やネット動画やゲームしかしていなければ、つまり単なる消費者としてしか接していなければ、「〇〇がしたい」だとか「〇〇をするためには××を試してみればいいのでは?」という思考にはならなかったでしょう。

これからの時代、ITリテラシーは必須です。
ここでいうITリテラシーは「消費」だけではなく「生産」も含みます。
仕事は「消費」ではなく「生産」だからです。
本校ではせっかくiPadを一人一台持たせているのですから、iPadの生産的な使い方(ゲームやネット動画ではない)をマスターしてもらいたい。
この前、Clipsで字幕付き動画を制作してもらいましたが、立派な生産活動です。
学園祭では映画を撮りましたが、立派な生産活動です。
学級日誌の記事はiPadに投稿してもらうようにしましたが、立派な生産活動です。
(SNSとは違って「実名」で投稿することに意味があります)
授業では電子書籍を作ってもらいますが、立派な生産活動です。
授業ではプレゼンを作ってもらいますが、立派な生産活動です。
こういった活動を通して、生産者としてのITリテラシーを学んでいってもらいたいと思っています。
こういった活動を通すことで、「iPadのプロセス」が身についていき、将来、「〇〇がしたい」だとか「〇〇をするためには××を試してみればいいのでは?」という思考で自分の仕事を創意工夫できる大人になることを期待しています。

生徒が将来使うのはアップルではなくグーグルやマイクロソフトのサービスかもしれません。
しかし、iPadのプロセスを学んでおけば応用は効くものです。
(私はアンドロイド派ですが、仕事でiPadも使っています)

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