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上書き:消去ではなく蓄積

中学校の先生が愚痴を言っていました。
なんでも「中学校の時にあれほど一生懸命に色を塗ったのに、高校に入るとその上に色を塗られてしまう。そしてその色が濃すぎて中学校のことを忘れてしまう」ということでした。

なるほど、言っていることは分かる気がします。
高校でもこの上書き効果は莫大で、様々な豊かな体験が大学受験に塗りつぶされてしまいます。

学校行事や部活動やボランティア活動や級友との語らいなど、様々な体験を蓄積してきました。
しかし悲しいことに、高校3年間さまざまな体験を積み重ねるのですが、結局は「大学受験がすべて」になってしまう人がいます。
高校3年間の評価が大学受験だけとなってしまう人がいます。
蓄積ではなく消去してしまう・・・
上書きとは、消去ではなく蓄積だと思います。

話は変わりますが、大学受験は手段であって目的ではありません。
大学受験の目的は「長い人生で4年間、自由で充実した生活を送ること」でしょう。
AO入試だろうが推薦入試だろうが一般入試だろうが第一志望だろうが不本意入学だろうが関係ない。
手段に縛られるのはもうやめましょう。
長い人生で4年間、自由で充実した生活を送ってもらいたい。

大学群提案

最近、SMARTという大学のグループ分けを耳にしました。
S(上智)M(明治)A(青山学院)R(立教)T(東京理科)
MARCHはもう古いそうです。

各大学で学部学科によって難易度は違いますし、科目数も異なります。
それなのにグループ分けするというのは乱暴だと思います。
大学でやりたいことは人それぞれで、各大学の学部学科には個性があります。
それなのにグループ分けするというのは乱暴だと思います。

でも、乱暴な言葉ですが、イメージを伝えるのには便利な言葉でもあると思います。

さて、乱暴は承知で、ある大学群を命名してみました。
TWICEです。
高崎経済大学と都留文科大学のTTです。
両者とも中期日程で有名です。
中期日程であるということ、科目数が少ないということ、首都圏から大きく離れていないということで、ある程度のレベルを保っている大学です。
平成31年大学入試センター試験のボーダーは全学科で86%以上でした(中期3科)。
センター得点率86%(しかも国語は現古漢)に加えて二次試験があるのですから簡単に入れる大学ではありません。

TWICE(TT)、どうでしょう?
もちろん乱暴な言葉ですが、「鶴鷹祭」なんていうのもあるくらいで、一つの大学群にまとめてしまうのは便利なのではないかと思っています。

今が一番伸びる時

センター試験で基礎力がつきました。
二次試験の勉強はこの基礎力がついた状態で行います。
しかも科目を絞って勉強します。
今が一番伸びる時期です。
受験生自身、伸びが実感できているのではないでしょうか。

科目を絞ると書きましたが、二次試験で要求される科目は大学に入ってから役に立つ科目です。
大学で学ぶ専門に通じる科目です。
二次試験対策の勉強で大学の専門につながる科目を極めることができる。
国公立大学志望者は大学で学ぶための準備をして入学してくる。
指定校推薦などない国公立大学の先生はなんて恵まれているのだろうかと思います。

やりたいことに拘らない

国公立大学の出願指導をやっています。
大学を選ぶ基準っていうのは
1.そこでしかできない
2.ブランド
3.立地
4.やりたいこと
だと思っています。

同じく出願指導をしている同僚を見ると「やりたいこと」を重視しすぎていると思います。
教師が進路指導で最も重視するのは「やりたいこと」だからでしょう。
三者面談をしていると、保護者の方も「何がやりたいの?」と子どもを問い詰めるケースが多い。

「やりたいこと」はもちろん大事です。
でも、「やりたいこと」って、本当に「やりたい」のでしょうか?
生徒に「なんでやりたいの?」と訊くと、「知り合いが~だから」といった答えが返ってくることがよくあります。
父親が技術者だから技術者になりたいとか・・・
これって、「やりたいこと」の理由になり得るのでしょうか?
一つの理由ではあるでしょうが、大きな理由としては相応しくないと思います。

私自身の話をすると、高校時代は「やりたいこと」は分かりませんでした。
大学も学部学科も「なんとなく」決めました。
大学に入学したあとで「とりあえずの・・・やりたいこと」が変わりました。
大学卒業後は大学で学んだことと全く異なる仕事をしています。
しかし、どの局面でも特に困ることもなく、楽しく過ごすことができました。

私は自分の経験から、生徒の「やりたいこと」は考慮するけれども、「やりたいこと」に拘りすぎる指導はしないようにしています。