【筑波大学第一学群人文学類】
・・・私の就職活動日記・・・
「私」:筑波大学第一学群人文学類東洋史学主専攻アジア史コース(トルコ史)所属。
就活にはほとんど役に立たない勉強してます。
トルコ語が読めたって企業は採用してくれません(T_T)
!注意! 今からお話するのは、あくまでも私一個人が就活を通して主観的に感じたことであり、数字など確かなデータに基づいたものではありません。参考程度に留めてくださいね。ただ文系の皆さんにとっては耳に痛い話となるかもしれません(^^;
○これまでの就活の流れ(続行中)
就活って大体いつ頃から始めていつ頃終わるものだと思いますか?私はまだ就活を続けている途中ですが、実はもうこの時期は就活の第2ステージなんです。4月の新卒採用のために今大学生は1年以上前から就職活動をしなければならず、人によっては1年以上の長期戦となります。なまぐさ文系学生のスケジュールを例に、どのように就活が進められるのか見てみましょう。
(3年夏)
6月
大学にて就職活動オリエンテーションやらインターンシップ(※1)説明会やらが開かれ、「今年就活かぁ・・・」ぐらいの意識が芽生える。しかし頭の中は夏のイタリア旅行で頭がいっぱい。
※1 インターンシップ いわゆるお仕事体験。企業に学生が出向き、実際の仕事を見学や体験し企業選びの参考にします。一日だけや数ヶ月と長期間タイプもあり、お給料が出るとこもあります。
7月~8月
イタリア旅行→一文無し→バイト三昧。就活のことは頭のスミへ。ただしインターンシップをやってる人はやってます。
(3年秋)
9月
インターンに行ってた人の話を聞いてちょっとあせる。夏以降、企業の合同セミナーや大手就活サイトリクナビさんのイベントとかがどんどん始まります。
10月
やっと初めての企業セミナーへ。OBの先輩にも会い、就活のアドバイスを貰う。
11月
先月に引き続き企業セミナーにぼちぼち行く。ちなみにセミナーは選考ではなくただの説明会です。
・・・この頃心身共に調子を崩し、就活はほとんど進みませんでした(;_;)筑波の環境のせいか、文系の元々の気質が原因か、心の病になる人は本当に多いです。みなさんも気を付けましょう(´д`)
(3年冬)
12月
企業セミナーも活発に行われるように。パソコンにも説明会の案内がバンバン届きます。自分はどんな企業に行きたいのか・・・セミナーに参加しつつじっくり考えます。(←理想)私?私は・・・病んでましたorz
1月
年明け気合を入れ直し、就活に挑みます。業種や企業によってはもっと早いですが、やはり多くの企業は年明けに本格的に選考を始めます。私も始めて選考に参加しました。見事に折られましたが(-ω-)
2月
急に東京に行く回数が増えます。平均して週に2回は東京行きます。つくば⇔東京は往復約2,500円です。これが月8回以上・・・交通費については後ほど。
またこの頃はエントリーシート(通称ES※2)の締め切りが怒涛の勢いでやってきます。夜中に泣きながら書くことも・・・。
※2 エントリーシート 履歴書とはまた別に自己紹介をする書類です。形式は企業によって様々ですが大別して、①履歴書タイプ②短文作文タイプ③自由放任タイプがあります。最近ではweb上で提出するものも多いです。
(3年~4年春)
3月
2月に引き続き、説明会・選考に参加しては折られる日々・・・。
この月は11回東京に行きました。知り合いが内定をもらい、ショックを受ける。
4月
春休みも就活やってたらいつの間にか終了。ここで第一志望の企業に折られ、かなりへこむ。友達の中にも内定者が出る。ひどくあせる。公務員も意識するように。
5月
第二志望以下もことごとく落ち、ついに手駒ゼロへ。志望業種を見直し新たに企業を探すも、この時期に採用を始めるところは少ないため目の前が真っ暗に(ToT)就職無理かも・・・と弱気に。
6月
開き直りました。こうなったら延長戦!!と夏採用(※3)に切り替えます。この時期にも東京で就活生の姿を見かけるのでびっくりします。
※3 夏採用 就活第2ステージ。企業が2度目の採用活動を始めます。近年は一度に採用せず小分けに長いスパンで採用を行う企業が増えています。
そして現在 夏採用に向け、新たに企業を探しエントリーしているところです。夏休みはほぼ無いものと思われますが泣、卒論と平行して頑張ります!
○文系は就職に不利?
文系のみなさん、もっちこと○○先生に「文系は就職に不利だぞぉぉ…」と散々脅されて
ませんか?高校時代私も散々警告されましたが、「そんなん自分が就職できなかったからじゃん(゜д゜)ケッ」とあまり深刻に考えてませんでした。そして今内定ゼロのこの状況です。私は文系だから内定が取れなかったのでしょうか?答えは・・・半分半分かと思います。文系の人だって内定を取ってる人は多いのですから、文系=就職できない、は間違っています。「私は文系学部です」という学歴が就職に不利なのではなく、文系学部という環境にいることが問題になるかと思います。なぜなら文系の人は就職への意欲が低い人が多いからです↓特に人文はそうかと。「就活やってる~?」「いや~ぼちぼちやねー(´∀`)」これ12月頃の会話です。人文系の学問をやっているとどうも世間と感覚がずれていくようです…。文系でもちゃんと就職したいのなら、周りに流されず、現実を見つめる姿勢を保つことが重要です。では具体的に、文系はどのような進路を歩んでいくのでしょうか。
①進学
大学院への進学です。(稀に他学類や他大学に入り直す人もいますが)進学先は筑波だけでなく他大学へも多いです。純粋に研究者を目指す人もいますが、教員や就職を有利にするために進む人が多いように感じます。
②教員
始めに言っておくと、人文学類生の半分以上が教職をとるのは途中でリタイアします。なぜかと言えば教職は授業が多い!年々授業が減っていく文系学生にとってはそれが耐えられんのです・・・というのは一部のなまぐさたちで、大抵は公務員または就活との掛け持ちが難しく、教育実習の前にやめる人が多いようです。「教職はとりあえず取っておけ」という声もありますが、教育実習が4月末からとちょうど採用期間中にあるため、それまでに内定が出ていないとかなり厳しい状況になります。教職を取る人は教員を目指している、もしくは院進学の人に多いという印象です。
③公務員
公務員の種類や採用方法については説明を省きます。私も良く知らない部分があるので公務員志望の友人の話を元にお話しますが・・・公務員試験はめっちゃ難しい!、だそうです。自力での勉強が難しいため、多くの学生が「公務員試験講座」を3年の夏?(曖昧でごめんなさい)から受講し始めます。大学が開講するもので約20万、外部のなら30万以上かかるという話です。6月30日に試験があったのですが、友人はその1ヶ月以上前から8時間勉強を毎日続けていました。
ここで長く就活をしてきた私の独り言ですが・・・公務員っておすすめです。もちろん公務員に絞ってしまうと万が一落ちたときのリスクもありますが、やるべきこと=勉強が決まっているので勉強さえ頑張ればいいわけです。就活ももちろんノウハウはありますが、最終的には実践が一番なので、とにかくたくさんの企業を受けなければいけません。そしてその99%は間違いなく落とされます。数を打てるという利点はありますが、体力的にも精神的にもかなり追い詰められます。また待遇の面でも、公務員はずば抜けてよいです。公務員は労働環境や男女平等雇用などにおいて企業の「お手本」とならなければいけません。なので、当然待遇はよくなります。給料も企業に比べて低いと言われますが、それは企業で順調に昇進していく人と比べているから。能力重視の会社で昇進するには相当の仕事人間にならなければいけません。公務員は週休2日を約束されながら、年功序列の昇給制なのできちんと勤めていれば確実に給料は上がります。なので生涯収入で比べれば、場合によっては公務員の方がいい場合もあります。年金も保証されますしね。特に生涯収入については女性の方に顕著に差が出ると思います。さらに、手に職を持てない文系女子のみなさん、結婚し子供ができても復職できるのは公務員ですよ。一般企業では、正直厳しいです。
長くなりましたが、もちろん企業も公務員も一長一短です。ただ覚えていて欲しいのは、企業で働くということは会社の利益のために働くのであって、決して自分のやりがいのために働くわけではありません。企業は夢が膨らみやすい分、その裏にある現実はとても厳しいのです。公務員はどうも面白さが無いように見えますが、期待を裏切らず安定性は与えてくれます。自分が将来どんな生活がしたいのか、また自分の性格も考えて進路は決めていきましょう。
④企業に就職
基本的に文系学部に属していて、勉強内容が就職に活かされることはまずありません。つまり文系の人たちは、「誰でも始められる仕事」に就くわけです。例としては、
・営業 口と商品の知識があれば誰でも始められます。新入社員はまずここからスタートすることが多いです。
・事務 ある程度パソコンができればできます。基本的に内勤、異動がないため給料がちょっと低め。女性が多いです。
・販売・接客 サービス・小売業は必ずここからスタートです。勤務時間・休みは不安定で体力勝負。24時間営業や年中無休のとこはおそらく相当キツイです。
・製造 工場などで勤務。大抵は機械の知識がなくても大丈夫です。24時間年中無休のとこが多いので、土日休日はまず無理。
大学での勉強内容が活かせないということは、自分のパーソナリティを武器に企業に売り込むしかありません。内気な文系学生にとってはこれが苦手なところ。理系は研究職や技術職なら自分の研究内容が武器になるし、尚且つ「誰にでもできる仕事」ではないため企業・業種を絞りやすい、こういったところが理系は有利かと思います。文系は選択肢が多いため、業種を絞るだけでもとても大変なのです。
なんかこれだけ見てると、文系っていいとこなしじゃん!と思ってしまいますよね。でも就活で文系が有利なことが1つあります。それは授業数が3・4年次は少ないこと。理系は実験などで4年でも本当に忙しいですが、文系は学年が上がるごとに授業が大抵減っていきます(教職をとる人は別)。人文は4年生はほとんど学校に来ません。その分就活に時間を回せるので、そこは助かってます。卒論の準備をしながら就活をしている理系学生は本当に大変そうでした。
ちなみに私は単位が足りないので、普通に学校行ってます。(´∀`)アチャー
○大学と就活の関係性
・大学名というブランド
偏差値が高い大学は就活に有利?もうこれは一昔前の話です。東大生だろうが就活をちゃんとやってなければ内定とれません。○文系は就職に不利?でも似たことを言いましたが、例えば「私は早稲田大学出身です」という肩書きが有利というよりも、早稲田にいるという環境が有利なのだと思います。なぜなら各業界(特にマスコミ)にOBが多く散らばっているためコネクションが持ちやすいし、まず就職への意識が全体的にとても高いです。なので就職を考えている人は、行きたい大学・学部の就職率や就職先を調べるのはとても大事なこと。いくら偏差値が高くても、筑波のようなの~んびりした大学では就職に有利になるとは言えません。では大学名は全く考慮されないのかと言えば、私も採用する側ではないので正直分かりません(^^; 多少はあるかもしれませんが、少なくとも昔よりは大学名での差別化は小さくなっているはず。どの大学にいても要は自分の頑張り次第ということです。あ、ちなみに地方企業は大抵影響します。茨城出身で茨城大学または筑波に行ってれば、常陽銀行はかなり入りやすいと思います。
・地方大学と就活
今私は東京への就職を考えているため、当然就活のために東京に出なければなりません。一番ネックとなるのが交通費です。今まで怖くて合計でどのくらいかかったのか、計算してなかったのですが・・・意を決して計算してみました。1月からの計算で約10万円です(T_T)。就活中はバイトも減らすので、やはり交通費は痛いです。また東京に出るまでの時間も片道で1時間以上かかるので、大体半日~1日潰れます。また体力的にも厳しいと思います。私も何度も駅で倒れそうになりました。つくばでこれですから、もっと地方にいる人はさらに厳しいです。しかし地方での採用も限られているので、やはり東京に出ないと・・・という現実があるようです。やはり東京の大学にいることはそれだけで就職に有利です。情報も入ってきやすいですし、たくさんの企業を受けることができます。地方大学にいる場合は事前の情報収集とスケジュール管理が大事になってきます。
最後に・・・
長くなった上、高校生のみなさんからしたらどうもイメージがしにくい話になってしまい、ごめんなさい。ただ、これはある意味「就活失敗体験記」なので普通の就活体験記よりももしかしたら参考になるかもしれません。
とにかくみなさんに伝えたかったのは、大学でモラトリアムに浸りすぎないようにしましょう、ということです。大学では人生最大の自由が得られる一方、社会に出る直前のステージなので本当に「将来に対する自己管理」が大事になります。大学受験は家庭や学校の手厚いサポートのもと行われるため、周りとみんなで進路を決めるようなものです。しかし、大学において進路を決めるというのは全くの個人に任されます。つまり、自分が決めなければ誰も決めてくれないということです。逆を言えば、それが社会人としての自立(自律)の第一歩なのだと思います。楽しむことも大事ですが、是非自分の将来を現実的に考えることも忘れないようにしてくださいね。
モラトリアムに浸りすぎた22歳からのメッセージでした☆
♪おまけ♪
真面目な話ばっかりでもつまらないので、就活・大学生活での小話でも・・・
・今のところ人文学類で内定が出た企業を上げると、楽天、三菱東京UFJ銀行、労働信用金庫、地方銀行などです。印象としては金融系が多いかも。金融業界は採用人数が多いので。また、去年は国家一種に現役で受かった先輩もいます。人文らしからぬイケメンで(*´∀`*)ポッ 某有名女優さんの元カレさんでした。人文以外の文系の人にはNHK,三菱商事(商社No.1)に決まった人もいます。すごーい。
・某パンメーカーさんの説明会に行くと、パン食べ放題でした♪食品メーカーなどは商品をサンプルとしてくれる場合が多いです。ちなみに採用って企業もすごいお金がかかるらしいです。
・就活中は学校はあるわ合間を縫ってバイトをするわで、ほとんど休みがありません。ストレスもすごい溜まります。私は胃を壊しました。なので息抜きがとても大事。筑波で息抜きというと大抵酒ですけど。
・人文は1年休学して海外に行く人も結構多いです。なので将来を決めかねたら取り合えず海外へ飛んで就活を先延ばしするのも有りかも?ただ海外にいたことがどのくらい就活に有利になるかというと、そういう人はゴロゴロいるので留学経験はめずらしくないし大して有利にもなりません。あくまでも「経験の一つ」程度です。ちなみに海外に行くには留学以外にも「ワーキングホリデー」(学校に行くのではなく働きに行くこと)という形もあるので、興味のある人は調べてみるといいと思います。私の親友も今NZで農業やってます。